冬の散歩・・・谷浜、名立、筒石、能生小泊 [町並み・集落 散策]
こんばんは。
前回の N ゲージレイアウトの製作の記事で、もう少ししたら着手することになるシーナリィは冬の日本海沿いの風景を考えていると書きました。そのイメージを固めるべく、散歩がてら鉄道と漁港、漁村を訪ねてきました。訪ねたのは地元上越市から糸魚川市にかけての海岸沿いです。
えちごトキめき鉄道、日本海ひすいライン谷浜駅です。1 年前まで北陸本線として特急列車が多数行きかう JR 西日本の最東端駅でした。
昭和 44 年の複線電化を機に直江津-糸魚川間の線路が山側へ移設されトンネルばかりになった区間ですが、ここ谷浜をはじめ有間川、浦本、梶屋敷の各駅は駅の位置が変わらなかったため、古い駅舎が残っています。レイアウトに設ける駅舎は、こんな駅舎にしてみたい。
現在は貨物列車以外、ほとんどが単行または 2 連の気動車になってしまいました。
複線電化される以前の旧北陸本線は海岸ぎりぎりを走っていました。現在、路盤は久比岐自転車歩行者道に再利用されており、トンネル、橋台、側壁などが当時のまま残っています。側壁、雪崩除けなどの構造物は参考になりそうです。
・・・名立付近まで来たところで、吹雪が激しくなり、この日は散策を中止。
一週間後に続きです。名立の町並みの様子。さらっと雪が積もったあとで、目指すシーナリィにちょうどよい雰囲気。
トンネルに挟まれた名立駅に立ち寄り。ちょうど上下普通列車の発車時間が重なりました。両列車とも魚や花のデザインが施されたイベント兼用車両でした。
それほど積雪が多くなくても枕木が雪に埋もれていますが、レイアウトでは枕木を露出させたいと思っています。
続いて、筒石です。古い舟屋が続いています。地すべりが多い地域であり、後ろの断崖全面が網の目のようにコンクリートで保護されています。
有名な丹後半島伊根の舟屋は干満の差がほとんどない湾内のため水面ぎりぎりに舟屋が建てられていますが、ここは波の荒い外海に面しているため、高い位置に舟屋が建っています。
船を引き上げるのがたいへんなのではと思います。
昔は防波堤に囲まれた漁港内だったようです。
沖合にポツンと残った電柱。もっと高い波のときや、または夏場に夕陽をバックにすると絵になりそう。舟屋と電柱の情報は上越タウンジャーナルの 過去記事 を参考にしました。
筒石集落は狭い土地に家が寄り添うように立ち並び、3階建ての住居が多いのが特長です。(この写真は一昨年 11 月の写真)
現在の筒石漁港。木造建築が多く残っています。漁協の事務所。
大きな木造の舟屋。
厳しい冬の風雨にさらされて、ところどころ朽ちています。
筒石漁港の木造の建物群も味があります。ぜひシーナリィに取り入れたいです。
さらに西へ。能生漁港がある小泊地区へ来ました。かにの直売店で知られる道の駅能生にクルマを置いて散歩しながら集落へ向かいます。
旧北陸本線の小泊トンネルをくぐります。
自転車歩行者道になっていて照明がつき、また煉瓦の上にコンクリートが巻かれているため、トンネル内部は明るいです。
トンネル内は風雪が避けられて歩きやすいためか、集落の人たちのウォーキングコースになっているようです。
抜けたところは集落の中。ここに昔は列車が走っていたのか・・・
線路跡は漁港と家並みを見下ろしながら緩く曲線を描いていました。
小泊地区は、U字形の湾に設けられた能生漁港を取り囲むように家並みが続いています。
集落の中はクルマが入れません。細い路地が網の目のように設けられています。
いちばん下に国道 8 号線が通っていて、国道を渡って漁港へ降りました。
漁港から見た、小泊地区の階段上に連なった家並み。
能生漁港には筒石のような舟屋がなく、同じ造りの小さな倉庫がずらっと並んでいました。
かつては海岸沿いを走っていた北陸本線が地すべりなどの災害を避け、トンネルばかりのモグラ路線になったきっかけの一つが小泊地区で発生した地すべりです。漁港に糸魚川ジオサイトの案内看板があり、地すべりのことが書かれていました。
引用しますと「1963 年 3 月 16 日午後 4 時 30 分ころ、小泊の西側斜面で地すべりが発生し、普通列車(敦賀発直江津行き、7 両編成)が白山トンネルを出たところで地すべり土砂に乗り上げ 20 分後の第 2 波の地すべりによって機関車と先頭の客車が海の方へ押し流されました。この地すべりによって死者 4 名、負傷者数名、全壊家屋 25 戸、半壊家屋 3 戸の被害がありましたが、列車の乗客 150 名には一人のケガ人もありませんでした、この小泊地すべりはその後の北陸本線トンネル化の契機となりました。」
写真の中央の斜面が地すべり跡です。
「海岸沿いを走っていた北陸本線は開業以来、浦本駅-直江津駅間で約 70 回の地すべりに襲われた。」とのことです。なぜ地すべりが多いのかは「この地域の山々はフォッサマグナの海底にたまった 300〜100 万年前の堆積岩や火山噴出物でできており、200 万年前に始まった隆起運動によってよく固まっていない堆積岩が陸上へ持ち上げられた結果、地すべりを引き起こすことになった。」と案内板に書かれていました。
最近は筒石で見られたような防災工事が施され、あまり地すべりの話は聞かなくなったように思います。
いずれにしても散策して目にした風景、筒石の木造の舟屋や 3 階立て住居、能生小泊のU字型の湾を取り囲むような漁港と集落、それを見下ろすように走る列車。こんな様子をシーナリィで作ってみたい・・・実際に作れるかどうか???ですが、妄想だけはどんどん大きくなった冬の散歩でした。
★おまけ:最近のはるちゃん★
トンネル通過中。
前回の N ゲージレイアウトの製作の記事で、もう少ししたら着手することになるシーナリィは冬の日本海沿いの風景を考えていると書きました。そのイメージを固めるべく、散歩がてら鉄道と漁港、漁村を訪ねてきました。訪ねたのは地元上越市から糸魚川市にかけての海岸沿いです。
えちごトキめき鉄道、日本海ひすいライン谷浜駅です。1 年前まで北陸本線として特急列車が多数行きかう JR 西日本の最東端駅でした。
昭和 44 年の複線電化を機に直江津-糸魚川間の線路が山側へ移設されトンネルばかりになった区間ですが、ここ谷浜をはじめ有間川、浦本、梶屋敷の各駅は駅の位置が変わらなかったため、古い駅舎が残っています。レイアウトに設ける駅舎は、こんな駅舎にしてみたい。
現在は貨物列車以外、ほとんどが単行または 2 連の気動車になってしまいました。
複線電化される以前の旧北陸本線は海岸ぎりぎりを走っていました。現在、路盤は久比岐自転車歩行者道に再利用されており、トンネル、橋台、側壁などが当時のまま残っています。側壁、雪崩除けなどの構造物は参考になりそうです。
・・・名立付近まで来たところで、吹雪が激しくなり、この日は散策を中止。
一週間後に続きです。名立の町並みの様子。さらっと雪が積もったあとで、目指すシーナリィにちょうどよい雰囲気。
トンネルに挟まれた名立駅に立ち寄り。ちょうど上下普通列車の発車時間が重なりました。両列車とも魚や花のデザインが施されたイベント兼用車両でした。
それほど積雪が多くなくても枕木が雪に埋もれていますが、レイアウトでは枕木を露出させたいと思っています。
続いて、筒石です。古い舟屋が続いています。地すべりが多い地域であり、後ろの断崖全面が網の目のようにコンクリートで保護されています。
有名な丹後半島伊根の舟屋は干満の差がほとんどない湾内のため水面ぎりぎりに舟屋が建てられていますが、ここは波の荒い外海に面しているため、高い位置に舟屋が建っています。
船を引き上げるのがたいへんなのではと思います。
昔は防波堤に囲まれた漁港内だったようです。
沖合にポツンと残った電柱。もっと高い波のときや、または夏場に夕陽をバックにすると絵になりそう。舟屋と電柱の情報は上越タウンジャーナルの 過去記事 を参考にしました。
筒石集落は狭い土地に家が寄り添うように立ち並び、3階建ての住居が多いのが特長です。(この写真は一昨年 11 月の写真)
現在の筒石漁港。木造建築が多く残っています。漁協の事務所。
大きな木造の舟屋。
厳しい冬の風雨にさらされて、ところどころ朽ちています。
筒石漁港の木造の建物群も味があります。ぜひシーナリィに取り入れたいです。
さらに西へ。能生漁港がある小泊地区へ来ました。かにの直売店で知られる道の駅能生にクルマを置いて散歩しながら集落へ向かいます。
旧北陸本線の小泊トンネルをくぐります。
自転車歩行者道になっていて照明がつき、また煉瓦の上にコンクリートが巻かれているため、トンネル内部は明るいです。
トンネル内は風雪が避けられて歩きやすいためか、集落の人たちのウォーキングコースになっているようです。
抜けたところは集落の中。ここに昔は列車が走っていたのか・・・
線路跡は漁港と家並みを見下ろしながら緩く曲線を描いていました。
小泊地区は、U字形の湾に設けられた能生漁港を取り囲むように家並みが続いています。
集落の中はクルマが入れません。細い路地が網の目のように設けられています。
いちばん下に国道 8 号線が通っていて、国道を渡って漁港へ降りました。
漁港から見た、小泊地区の階段上に連なった家並み。
能生漁港には筒石のような舟屋がなく、同じ造りの小さな倉庫がずらっと並んでいました。
かつては海岸沿いを走っていた北陸本線が地すべりなどの災害を避け、トンネルばかりのモグラ路線になったきっかけの一つが小泊地区で発生した地すべりです。漁港に糸魚川ジオサイトの案内看板があり、地すべりのことが書かれていました。
引用しますと「1963 年 3 月 16 日午後 4 時 30 分ころ、小泊の西側斜面で地すべりが発生し、普通列車(敦賀発直江津行き、7 両編成)が白山トンネルを出たところで地すべり土砂に乗り上げ 20 分後の第 2 波の地すべりによって機関車と先頭の客車が海の方へ押し流されました。この地すべりによって死者 4 名、負傷者数名、全壊家屋 25 戸、半壊家屋 3 戸の被害がありましたが、列車の乗客 150 名には一人のケガ人もありませんでした、この小泊地すべりはその後の北陸本線トンネル化の契機となりました。」
写真の中央の斜面が地すべり跡です。
「海岸沿いを走っていた北陸本線は開業以来、浦本駅-直江津駅間で約 70 回の地すべりに襲われた。」とのことです。なぜ地すべりが多いのかは「この地域の山々はフォッサマグナの海底にたまった 300〜100 万年前の堆積岩や火山噴出物でできており、200 万年前に始まった隆起運動によってよく固まっていない堆積岩が陸上へ持ち上げられた結果、地すべりを引き起こすことになった。」と案内板に書かれていました。
最近は筒石で見られたような防災工事が施され、あまり地すべりの話は聞かなくなったように思います。
いずれにしても散策して目にした風景、筒石の木造の舟屋や 3 階立て住居、能生小泊のU字型の湾を取り囲むような漁港と集落、それを見下ろすように走る列車。こんな様子をシーナリィで作ってみたい・・・実際に作れるかどうか???ですが、妄想だけはどんどん大きくなった冬の散歩でした。
★おまけ:最近のはるちゃん★
トンネル通過中。
雪深い場所ですね。
はるちゃん相変わらず美人さんですね。
by みぃにゃん (2016-02-21 22:44)
みぃにゃん様、こんばんは。
そうですね。しかし、今年は雪が少なく、ちょっと降っては溶ける、を繰り返しています。
はるちゃんは雪国生まれ、雪国育ちですので、色白美人さんでしょうか。
by TakiHaru (2016-02-22 21:14)
筒石集落に漁港。
すっごい味わい深い場所ですね! よだれが・・・(笑)
こっちでこんな風に家が密集していたら、
冬は通れません歩けません ^^;
はるちゃん、めんこ~~~い ♪♪♪
by MIKUKO. (2016-02-27 00:40)
MIKUKO.様、おはようございます。
狭い土地に寄り添うように建つ3階建ての家々、古い木造の舟屋など、きっとMIKUKO.さんが好きそうな被写体がたくさんあると思います。近くを通る鉄道の駅はトンネル内なので、これはこれで有名ですね。
北海道も日本海側の漁港や漁村でも、似たような場所がありそうな気がしますがどうでしょうか?
by TakiHaru (2016-02-27 07:08)
お散歩してみたいような街並みですね。
昔ながらの舟屋好きです。
いつか時間の余裕が出来たら行こうと思います。
by imarin (2016-03-01 14:47)
imarin 様、こんばんは。
朽ちかけている木造の舟屋は筒石ならではの風景でたいへん味がありますね。
冬は寒いですが、これから春になると海が穏やかになり周囲の山々に山桜が咲きますので、散歩するときっと楽しいかと思います。
そして陽が長くなるにつれ、海に陽が沈みますので、夕陽と絡めた風景がきっと美しく映ると思います。
機会ができましたらぜひお越しください。
by TakiHaru (2016-03-01 21:42)
はじめまして。
私は関東の人間ですが、たまたまブログを拝見し、レンタカー初体験して筒石漁港の舟屋跡、3階たて集落をみてきました。お天気にも恵まれ、友人とふたり、心から満足。初レンタカーも、軽のTANTO?を借りましたが無事帰還。(上越妙高駅前のレンタカー)
ホームを拝見したら、高田にお住まいの由。実は友人が高田に住んでいて、今回も彼女とふたり。なんだかとても嬉しいです。
私たちは俳句が趣味で、今回も句材を求めての一日旅。
次回は冬荒れの日本海を句材に、と考えて谷浜の宿をリサーチするのも目的の一つでした。
行く前に筒石の写真を拝見、今日帰宅して旅をふり返りつつまた拝見。
ネット上ですが、良いご縁がうれしく、ひとことお礼が申し上げたくてmailいたしました。ありがとうございました!!
>朝北風や路地につながる猟師町 福福
by おた福 (2018-11-23 17:22)
おた福さま、こんにちは。
過去記事にコメントありがとうございます。
本記事が参考になりましたら、たいへん嬉しく思います。
筒石は荒海に直接面した舟屋や狭い路地に所せましと立ち並ぶ家なみなど、独特の雰囲気を持った集落だと思います。
特に漁港内の大きな木造の船小屋は、他の地域ではなかなか見れないのではないでしょうか。古い建物が多いですが、いつまでもこの風情が残っていて欲しいですね。
谷浜では良いお宿がみつかりましたでしょうか。冬はとても厳しい気候ですが、演歌の歌詞でもよくあるように、そのような時こそ日本海らしい表現が生まれやすいのかも知れないですね。
私は俳句は分からず申し訳ないですが、筒石らしい句をつけてくださり、ありがとうございます。ぜひまたお越しください。
by TakiHaru (2018-11-25 16:02)